川口 航
Kawaguchi Wataru
2019年3月入社(中途)
福島工場 機械スタッフ
前職は半導体の洗浄装置メーカーで、機械設計の仕事をしていました。その後、諸事情により実家に戻ることになったのですが、当時、自宅で祖母の介護をしており、その際に毎日お世話になっていた大人用おむつが当社の「アテント」だったのです。地元で仕事を探す中で、まさにそのアテントを製造している工場が近くにあると知り、「これほど身近で、人々の生活に深く関わり、支えている製品を作っている企業なんだ」と、強い魅力を感じて入社を決意しました。
また、今回の募集が機械スタッフだったことも大きな後押しになりました。前職で培ってきた設計のノウハウや、図面作成の経験をそのまま現場で活かせるのではないかと考えたからです。家族の介護という私自身のプライベートな経験が、めぐりめぐって現在の仕事選びの軸となり、人々の暮らしに寄り添うエリエールプロダクトへの入社につながったことは、今振り返っても素晴らしい縁だったと感じています。

現在は福島工場に勤務し、主におむつやナプキンを製造する生産設備の修理、保全、そしてさらなる生産性向上のための改善業務を担当しています。週に1回開催される改善会議では、現場のオペレーターから上がってくる課題や困りごとをチームで共有し、それに対して「どうすれば解決できるか」を自ら提案・実行して、工場の安定稼働に貢献することが私の重要な役割です。
前職での「お客様のニーズに応える設計」という経験は、現在の現場発の課題を解決するアプローチにも非常に活きています。一方で、前職と大きく異なるのは、自分たちで直接見積もりを取り、パートナーとなる業者を選定できるという点です。以前の会社ではこうした手続きはすべて購買部門が担当していましたが、エリエールプロダクトでは、コスト削減の観点まで自分自身で頭を悩ませ、責任を持って進めることができます。このように、一連のプロセスを自分の裁量で主体的に動かせる面白さは、日々の大きなやりがいとなっています。
これまでに最も大きなターニングポイントとなったのは、栃木工場や富士工場で製造していた製品を、新しく福島工場でも生産することになった際の大規模な設備移設プロジェクトです。既存の生産マシンのままでは対応できないため、工場全体を巻き込むような大がかりな改造・設置工事が必要となり、そのメイン担当として私が現場の指揮を執ることになりました。
資材の受け入れ管理から、現場での徹底した安全管理まで、あらゆる業務を一手に引き受ける中で、私は朝・昼・夕の1日3回、細かく進捗会議を実施することにしました。もしどこかの工程で遅れが出そうになれば、作業が進んでいる別のエリアのメンバーに一旦ストップしてもらい、遅れている方の手伝いに回ってもらうなど、状況を見極めながら臨機応変に舵取りを行いました。初めて直面するトラブルや判断の連続でしたが、チーム一丸となってこの巨大なプロジェクトを無事に完遂できた時は、かつてない達成感と「自分はもう一歩先へ進めた」という大きな自信を得ることができました。

入社してから特に嬉しかった変化は、会社全体で役職名ではなくお互いを「さん」付けで呼ぶ取り組みが本格的に始まったことです。これによって事務所全体の空気がグッと明るくなり、上司や先輩に対しても壁を感じることなく、フランクに相談や意見を言い合える心理的距離の近さが生まれました。当社の風通しの良さには本当に驚きましたし、とても働きやすさを実感しています。
また、現場にはメンバー同士がお互いに助け合う風土がしっかりと根付いています。現在、福島工場の機械スタッフは私を含めて4名という少数精鋭ですが、例えば子供の急な体調不良やプライベートな用事ができた際でも、「こっちは引き受けるから休んで!」と快く代わりのメンバーがフォローに入ってくれます。そのため有給休暇も非常に取得しやすく、仕事に熱中しながらも、プライベートや趣味の時間もしっかりと満喫できる最高の環境が整っています。
後輩の育成において私が一番大切にしているのは、あえて「1から10まで全てを最初から教え込まない」ということです。最初から答えをすべて与えてしまうと、ただ指示通りに動くだけになってしまい、本当の意味での技術や応用力が身につかないと考えているからです。そのため、まずは大まかな「触り」の部分だけを教えて、一度自分の手と頭を使って体験してもらうようにしています。
もちろん、最初は失敗することもありますが、「もしトラブルになっても、自分が後ろで完璧にフォローできる」という確固たる自信と準備を持って見守っています。大切なのは失敗したその後のステップです。「なぜ上手くいかなかったんだろう?」と理由を一緒に掘り下げて考えた上で、正しいやり方や正解の事例を丁寧に伝えるようにしています。普段から冗談を交えて積極的に声をかけ、後輩が緊張せず何でも質問できるような、穏やかでフラットな雰囲気作りも日々心がけているポイントです。

私が日々の業務で最も重きを置いているのは、「コミュニケーション」と「継続的な学び」の2つです。工場の現場は決して一人では成り立たず、常にチームプレイで動いているため、メンバー間や他部署との緊密な連携が欠かせません。お互いに気持ちよく協力し合える社風だからこそ、私自身も周囲から「この人なら何でも気軽に頼めるな」と思ってもらえるような、オープンで親しみやすい空気感を常に意識して発信しています。
そうして周囲と力を合わせながら、目の前のマシンをどうすればもっと良くできるかを突き詰め、自分のアイデアを形にする。その結果として、以前よりも格段に生産性が向上し、機械がトラブルなく安定稼働を続けてくれた瞬間に、この仕事ならではの無上の喜びを感じます。これからも日々進化する設備に関する高度な技術を貪欲に学び続け、いずれは福島工場の現場を力強く引っ張っていけるような存在へと成長していきたいです。